Written By 和田裕介
セカンドハーベスト・アジアは、今年2012年3月に、Salu-Salo: Food Bank Philippines (FBP) を地元フードバンクとしてフィリピンに設立しました。以前にもこのブログでこの団体については度々ご紹介してきましたが、最近まで食品の配送は行っていませんでした。
10月にセカンドハーベスト・アジアとセカンドハーベスト・ジャパンのメンバーがフィリピンを訪問し、大変寛容に寄付を提供してくださった企業さまのおかげでオクラの提供を始めることができました。
農場を訪問した日に、積んだばかりの新鮮なオクラを4ケースいただいて、一部をTarlac にあるthe College of Holy Spiritsに提供しました。Holy Spirits では、山間部に住む周縁化された原住民、アエタ族を支援しています。
Holy Spiritsのシスター達は、Tarlac の3カ所でアエタ族に教育活動をしています。食事の提供は、子ども達が勉強に集中できるようになるためにとても大事だとのことでした。
現在、Tarlac からマニラまでは高速バスに荷物を載せて運んでいます。マニラのバスターミナルでFBPのプロジェクトマネジャーであるCris Bonoan が食品を受け取り、マニラ内のあらゆるNGOに提供していきます。
この写真では、バスターミナルにフィリピン赤十字の車が食品を取りに来たのが分かります。
オクラは、そこから食品提供活動を通じて困窮者達に配られます。今のところ、マニラの10カ所の団体に提供しました。
その中の一つ、Tuloy Foundation Inc. です。Tuloy は、1993年からストリートチルドレンに様々なサービスを提供してきています。現在、Tuloy では800人の9歳~18歳までの子ども達に教育を提供し、200人に住む場所を提供しています。Tuloy のマーケティングオフィサー、Loida Oliverosとここに住んでいる学生が写真に写っています。
最近、私の方で雑誌エコノミストの こちら の記事を見つけました。発展途上国での食品提供における栄養の重要性についてのものです。この記事によると、90年代や2000年代前半には、食料援助の多くはカロリーを充分与えることにフォーカスしていました。しかし最近分かってきたところによると、約10億人が未だに充分なカロリーを取れずにいる一方で、さらに別の10億人がビタミンやミネラルなどの微量栄養素が足りず栄養不良になっているということです。さらに、この記事によると、
“栄養不良は、子どもの死亡の3分の1以上と関連しており、また多くの病気において最も重要な単一危険因子となっています・・・・栄養不良の子ども達は(他の全ての事が平等だったとして)学校に行く率が(栄養不良でない子どもに較べて)低く、学校に行っても長時間いられず、また学業でも苦労する割合が高いです。栄養を充分摂取した人たちに較べて、栄養不良の人たちは生涯において稼ぐお金の量も少なく、より貧しい結婚相手と結婚し、死ぬのも早めになります。” (和田訳)
(原文)”Malnutrition is associated with over a third of children’s deaths and is the single most important risk factor in many diseases….malnourished children are less likely (all things being equal) to go to school, less likely to stay there, and more likely to struggle academically. They earn less than their better-fed peers over their lifetimes, marry poorer spouses and die earlier.”